大阪府内で唯一、郵政民営化法案を巡って自民分裂区となった大阪２区では、自民新人、川条志嘉さん（３５）が、府知事を務めた義理の祖父、元法相の義父から引き継いだ固い地盤を誇る前議員、左藤章さん（５４）から〈大金星〉を挙げた。「本当にびっくりしている。皆さんのおかげです」と喜びを語った。

　昨年の参院選では、民主公認で和歌山選挙区から出馬し、落選。実家のある大阪府内の小選挙区から無所属で立候補する準備を進めていたが、「政権政党しか改革はできない」と、衆院解散後、自民の緊急公募に応じた。

　だが、左藤さんを支援してきた府議、市議の多くは支援に二の足を踏み、事務所を切り盛りしたのは主に両親や友人。公明からの推薦も得られなかったが、小泉人気の追い風に乗った。ギターを手に自作の「小泉改革応援歌」も歌った。

　当選確実が決まった時、事務所にいた支援者はわずか約２０人。その後、市議や府議が相次いで祝福に訪れたが、ある議員は「地盤も準備もなく、左藤の“ブランド”に勝つとは……。今までの自民党の選挙とは全く違う」と話した。

(2005年09月12日付 読売新聞)